私は、10年ほど難聴に苦しんでいますが、原因は神経線維腫症2型という難病にかかっているためです。今のところ、命に別状はありませんが、日々、難聴は進行している状態です。
患者の私からみた、神経線維腫症2型はどんなものか?
お話させていただきます。
一つ断り事があります。
私は、医療機関関係者でも、専門医でもありません。
あくまでも、1人の患者です。
専門用語も使いませんし。自分が理解していることを、自分の言葉で記事にしています。
すべての人に分かりやすい表現を心がけていますが、
専門的な知識を求める方は、医療機関サイトを参照下さい。
目次
神経線維腫症とは
1型、2型の2つの型に分かれます。
- 神経線維腫症Ⅰ型(NF1:レックハウゼン病)
- 神経線維腫症Ⅱ型(NF2)
神経線維腫症Ⅰ型(レックハウゼン病)
皮膚に症状が出る方が多いため、この病気は判明しやすい疾患です。
その他、骨、眼、神経系などに症状が出るため、友人からは、痛みが出て大変だと聞きました。
神経線維腫症Ⅱ型(NF2)
私が侵されている病は、こちらになります。
脳、脊髄、聴神経など、体の根幹に腫瘍ができる病です。
痛みが出ないことが多く、運がよければ、ほとんど気づきません。
発症時期も個人差があり、私の場合は、40歳てまえでした。
こう書いてしまうと、あまり大したことない?と思われますよね。
この病気が、難病に指定されている理由は?
脳、脊髄などの中枢神経です。腫瘍が出来る場所が悪いと、どのような名医が手術しても、致命的な障害が残る可能性があります。
基本的には、経過観察で様子をみて、他に選択肢がないときにリスクの高い手術をする。
患者の私からは、こんな病気にみえます。
診断基準と治療方針
診断基準
両耳の神経に腫瘍が見つかると、神経線維腫症Ⅱ型に病名が決まります。
この腫瘍ですが、ガンのように悪性の腫瘍ではなく、良性腫瘍と呼ばれるものです。
通常の人は、本当に運が悪くないと、良性腫瘍など出来ません。
「両耳の神経に、同時に良性腫瘍ができる」
このようなことは、何か他に原因がないと起こりえないことです。これで病名は確定です。
治療方針
腫瘍と言えば、悪性腫瘍(癌)のイメージが強かったため、すぐに手術かと思いましたが、全く違っていました。
メインの治療方針は、経過観察?
良性腫瘍は悪性腫瘍と違い、ほかっておくとどんどん悪化するものではありません。
腫瘍によって神経組織が圧迫され、問題が起こるのです。
ではなぜ、良性といえども腫瘍ができてしまうのか?
それが、この神経線維腫症Ⅱ型という病気の正体で、今はまだ治療方針が確立していません。
なぜ神経線維腫症Ⅱ型が難病なのか?
遺伝子の疾患
そもそも あなた は、良性腫瘍という言葉を聞いたことがありますか?
悪性腫瘍のガンは有名ですが、良性腫瘍?。知らない人も多いと思います。
ほとんどの人が知らない理由は、人間の体には、誰しも生まれながらに腫瘍の発生を抑制する機能が備わっているため、何も心配する必要がなく、腫瘍は出来なくて当然だからです。
では、なぜ神経線維腫症Ⅱ型の人は体のあちこちに腫瘍ができるのか?
「遺伝子の疾患により腫瘍の発生を抑制する機能が失われている」からで、
これが、腫瘍が体のあちこちに出来る直接的な問題を、引き起こしています。
この病気を根治するためには、遺伝子の疾患を治さなければなりませんが、本当の治療方法は現在研究中です。
経過観察はとりあえずの治療。
研究の成果を期待するしかないのです。
遺伝はしないのか?
遺伝子の病気ですから、当然、遺伝はします。しかも、確立50%の優勢遺伝です。
この病気の恐ろしいところは、患者本人だけではなく、家族全員の問題に発展することです。
発症に気づいた時には、自分には、2人の子供がいました。もうどうしようもない。
遺伝していないことを祈るだけです。
この先の問題
- 子供本人の健康は大丈夫か?
- 子供に打ち明ける?
- 結婚はどうする?
- 子供は孫をつくるのか?
今は、まだ子供が小さいので、先のことは出来るだけ考えないようにしていますが、いずれ成人します。頭の痛い問題ですよね。
まとめ
私の難聴との戦いは、神経線維腫症Ⅱ型との戦いと言ってもいいと思います。
病院に行っても、MRI撮って、経過観察。
これの繰り返しです。
何年かに一度、ピンチになり手術。
目先の問題と戦いながらも、子供の将来も考えなければならない。
本当に、問題山積みの病気なんです。
もっと重い病気でも精一杯ガンバッテいる人もいます。
そういった方と比べると遥かに恵まれていますね。
明日まで生きていれば、何とか道は開ける。
ポジティブに考えて生きています。
最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。